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「5年後、市の貯金がマイナスになる」―。岩手県盛岡市から発表された衝撃的な財政予測が、大きな波紋を広げています。この深刻な事態を受け、市は123もの事業を見直す方針案を公表しました。その中には、多くのランナーが楽しみにしていた「いわて盛岡シティマラソン」の廃止案も含まれています。なぜ、人気のイベントまで対象になったのか?私たちの暮らしに何が起きようとしているのでしょうか。
今回の事業見直しの引き金となったのは、盛岡市が公表したでした。そこには「このままでは5年後にがマイナスになる」という、衝撃的な内容が記されていました。財政調整基金はいわば「自治体の貯金」。これが底をつくということは、急な災害や経済の悪化に対応できなくなることを意味し、事実上の財政危機状態と言えます。少子高齢化による税収の伸び悩みや、社会保障費の増大といった構造的な問題が、市の財政を静かに、しかし確実に蝕んでいたのです。
この危機的状況を回避するため、市が打ち出した目標が「約7億6000万円の財源確保」です。これは決して小さな金額ではありません。新たな財源を見つけるのが難しい中、市は既存の事業にメスを入れるという苦渋の決断を迫られました。その結果としてリストアップされたのが、市民の暮らしに深く関わる123もの事業だったのです。今回の見直しは、単なるコストカットではなく、市の未来を守るための「緊急手術」とも言える切実なものなのです。では、この7.6億円を捻出するために、私たちの生活にどのような影響が及ぶのでしょうか?
見直し案の中でも、特に市民に衝撃を与えたのが「いわて盛岡シティマラソン」への負担金廃止です。市は、2027年度以降、大会への負担金(2025年度で3500万円)を全額削減する方針を示しました。この大会は、全国から多くのランナーが集まる人気のイベントであり、地域の活性化にも大きく貢献してきました。参加者やボランティア、沿道で応援する市民にとって、秋の恒例行事が失われるかもしれないというニュースは、単なる財政問題では片付けられない大きな喪失感を伴うものです。経済効果だけでなく、市民の誇りや一体感を育んできたイベントの灯が、消えてしまうかもしれません。
影響はイベントだけにとどまりません。市民にとって重要な情報源である市の広報誌「広報もりおか」は、発行回数が現在の月2回から1回へと半減される案が示されました。これにより、市政の情報がタイムリーに届きにくくなる可能性があります。さらに、子育て世帯にとっても見過ごせない見直しが含まれています。低所得者世帯を対象とした、の利用料や、保育所の副食費に関する助成制度の見直しも検討されているのです。これまで「当たり前」だったサービスが縮小される可能性があり、市民生活への影響は避けられそうにありません。しかし、これほど市民生活に直結する改革案に、反発の声が上がらないはずがありませんでした。
2025年11月21日に開かれたでは、市の進め方に対して議員から厳しい意見が相次ぎました。「あまりにも急すぎる」「影響を受ける団体や市民ともっと丁寧に話し合うべきだ」といった声が噴出したのです。特に、シティマラソンのような大きなイベントについて、関係団体への十分な説明がないまま廃止案が公表されたことに、多くの議員が疑問を呈しました。市民の代表である議会からのこの強い反発は、市が想定していた以上のものだったかもしれません。行政と議会の間に生まれた緊張は、今後の議論の行方に大きな影響を与えそうです。
議会からの厳しい批判に対し、市側は「あくまで現時点での『案』であり、決定事項ではない」と繰り返し説明しました。そして、「今後、関係団体などから丁寧に意見を聞き、議論を深めていきたい」と、対話の姿勢を強調しています。この言葉通り、これから市民や関係団体との意見交換の場が設けられることになります。しかし、一度公表された案が、市民や関係者に与えた不安や衝撃は計り知れません。「案の段階」という言葉の裏で、市の改革への強い意志は変わらないのか。それとも、市民の声を反映して案が大きく修正される可能性はあるのか。市の今後の対応が、市民の信頼を左右することになります。
盛岡市は今、財政再建という待ったなしの課題と、市民サービスの維持という難しい舵取りを迫られています。今回の123事業の見直し案は、その苦悩の表れと言えるでしょう。今後の最大の焦点は、市が市民や関係団体とどれだけ真摯に向き合い、合意形成を図れるかにあります。一方的な決定ではなく、痛みを分かち合いながらも、納得感のある着地点を見つけ出すプロセスが不可欠です。市は2026年2月に最終的な内容を決定する方針ですが、それまでの期間、活発な議論が交わされることは間違いありません。私たちの街の「未来」をどう描くのか。その答えが今、盛岡市民一人ひとりに問われています。
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